変わり続ける仙川——いま知るべき全体像

仙川エリアがかつてないスピードで変化しています。

2025年12月には駅前に大型商業施設「フォレストスクエア仙川」が開業。京王線では笹塚〜仙川間の連続立体交差事業(高架化)が着々と進行し、2030年度の完成に向けて沿線の風景が日々変わっています。隣駅・千歳烏山では地上34階建てのタワー再開発も計画されています。

こうした動きを受け、仙川の地価は2026年に前年比+7.21%と過去最高の上昇率を記録しました。

この記事では、仙川エリアの再開発の全体像を整理し、マンションの資産価値にどのような影響があるのかを、仙川専門エージェントの視点で解説します。「これから仙川で買いたい」方にも、「今持っている仙川のマンションをどうするか」考えている方にも、判断材料になるはずです。

京王線高架化——1,880億円の大事業

仙川の将来性を語るうえで最も大きなインパクトを持つのが、京王電鉄京王線(笹塚駅〜仙川駅間)連続立体交差事業です。

事業の概要

事業区間笹塚駅〜仙川駅間 約7.2km
事業主体東京都(京王電鉄・世田谷区・渋谷区・杉並区と連携)
都市計画決定2012年10月
事業認可2014年2月
完成予定2030年度末(2031年3月)
総事業費約1,880億円
廃止踏切数25箇所
高架駅化代田橋・明大前・下高井戸・桜上水・上北沢・芦花公園・千歳烏山(7駅)

仙川への影響

仙川駅は事業区間の東端に位置します。仙川駅自体は大規模な駅舎改築の対象ではありませんが、以下の恩恵を受けます。

  1. 踏切渋滞の解消

    仙川駅西側の踏切周辺で慢性的だった交通渋滞が解消。車でのアクセスが改善し、バスの定時性も向上します。

  2. 沿線環境の改善

    仙川〜千歳烏山間の高架橋構築により、線路が地上から上空に移動。線路跡地の側道整備によって歩行者・自転車の回遊性が向上します。

  3. 高架下空間の活用

    高架下には商業施設や緑道が整備される可能性があり、沿線の利便性と魅力がさらに高まることが期待されます。

2026年4月時点の工事進捗

仙川〜千歳烏山間では高架橋が姿を現し始めており、仙川駅側の取付部では仮囲い・仮線工事が進行中です。2026年3月30日には桜上水駅南口の切替が実施されるなど、事業は着実に前進しています。

歴史的に見て、連続立体交差事業が完了した沿線では地価が10〜20%上昇する傾向があります。完成まであと約4年——仙川エリアの資産価値にとって最大のカタリストです。

フォレストスクエア仙川——駅前の新ランドマーク

2025年12月9日、仙川駅前に大型商業施設「フォレストスクエア仙川」がオープンしました。

施設概要

所在地調布市仙川町3丁目
開業日2025年12月9日
店舗数約18店舗
コンセプト「Co-Living 共に、暮らす」
開発カワタケ(KAWATAKE Inc.)

低層構造で周辺の街並みとの調和を重視し、中央には緑豊かなコートヤード(中庭広場)を配置。かつてこの地にあった樹林を想起させる植栽デザインが特徴です。

主要テナント

フロア店舗名業種
1Fスターバックス コーヒーカフェ
1FDE CARNERO CASTE SENGAWAスイーツ
1FL'epicerie Sakagami食品
1FMinimal Bean to Bar Chocolateチョコレート
2Fロバーツコーヒーカフェ(多摩地区初出店)
2FSHARE LOUNGEシェアスペース
2Fクリスプサラダワークスサラダ専門店
3F京都焼肉 天壇1965 SENGAWA焼肉
3F匠がってん寿司寿司
3Fボナペティートパパイタリアン

※ 上記は主要テナントの一部です。2026年1月以降に順次追加オープンの店舗も含まれます。

街への影響

仙川はもともと安藤忠雄ストリートや個性的なカフェ・飲食店が集まる「京王線の自由が丘」として知られてきました。フォレストスクエアの開業により、こうした個人店の魅力に加えてまとまった規模の商業機能が加わり、「ウォーカブルな街」としてのブランド価値がさらに強化されています。

日本ショッピングセンター協会によれば、フォレストスクエア仙川は2026年に東京で新規オープンする6施設のうちの一つに数えられており、商業的な注目度の高さが伺えます。

地価11年間で49%上昇——数字で見る仙川の成長

仙川駅周辺の公示地価・基準地価の推移を見ると、エリアの成長が明確に数字に表れています。

平均地価(円/m²)坪単価変動率
2015年36万6,923円121万2,968円+1.26%
2018年38万5,500円127万4,380円+1.92%
2021年40万214円132万3,022円-0.06%
2023年42万800円139万1,074円+3.20%
2024年44万1,733円146万275円+4.81%
2025年47万733円155万6,143円+6.23%
2026年54万7,222円180万8,999円+7.21%

※ 出典:国土交通省 地価公示・都道府県地価調査をもとに仙川駅周辺平均を算出

読み取れるポイント

  1. 11年間で約49%上昇

    2015年の36.7万円/m²から2026年には54.7万円/m²へ。長期的な右肩上がりのトレンドが続いています。

  2. コロナ禍の影響は軽微

    2021年に唯一のマイナス(-0.06%)を記録しましたが、ほぼ横ばいで持ちこたえました。実需に支えられた底堅さが特徴です。

  3. 2023年以降の上昇加速

    変動率は+3.20% → +4.81% → +6.23% → +7.21%と年々加速。再開発の本格的な効果が地価に反映され始めている段階と言えます。

  4. 全国平均を大幅に上回る

    2026年の公示地価は全国平均で+2.8%(バブル期以降最大の伸び)ですが、仙川の+7.21%はその約2.6倍。仙川の成長力の高さを示しています。

隣駅・千歳烏山の大規模再開発

仙川の資産価値に大きな波及効果をもたらすと見られるのが、隣駅・千歳烏山駅前の再開発です。

事業名千歳烏山駅前広場南側地区 市街地再開発事業
所在地東京都世田谷区南烏山5丁目
規模地上34階・地下3階、高さ約140m
敷地面積約1.5ha
用途住宅・商業・業務・駐車場(約320台)
都市計画決定2026年度(予定)
完成予定2034年度

千歳烏山駅は高架化によって2面4線の高架駅に生まれ変わる予定です。駅前広場の整備とタワーマンション・商業施設の一体開発により、街の姿が大きく変わります。

隣駅の大規模な都市機能の向上は、仙川エリアへの波及効果が大きいと考えられます。千歳烏山の商業・医療・行政機能の充実は、仙川の「住む場所」としての魅力をさらに高める要素です。

調布市の都市計画と人口動態

仙川駅周辺の位置付け

調布市の都市計画マスタープランでは、仙川駅周辺は「商業の拠点」として位置付けられています。仙川駅周辺地区地区計画により、商業・業務地区の都市計画変更が行われており、「地域共生社会に向けた多世代が交流するコンパクトなまちづくり」が推進されています。

また、調布3・4・17号狛江仙川線をはじめとする都市計画道路の整備が進行中で、仙川エリアへのアクセスはさらに向上する見通しです。

つつじヶ丘・柴崎方面への延伸

2025年1月には「京王電鉄京王線(つつじヶ丘駅・柴崎駅周辺地区)開かずの踏切解消促進協議会」が設立されました。朝夕ラッシュ時に1時間に40分以上閉まる「開かずの踏切」5箇所の解消を目指す動きで、この事業が実現すれば仙川以西のさらなる利便性向上が期待されます。

調布市の人口推計

総人口備考
2021年約23万6,000人推計基準年
2025年23万9,348人実績値
2030年24万2,079人ピーク
2040年減少傾向高齢化率30.4%

※ 出典:調布市将来人口推計(令和4年3月公表)

調布市は2030年まで人口増加が続くと予測されており、全国的に人口減少が進む中では恵まれた環境です。2050年時点でも人口増が予測される数少ない自治体の一つとしても挙げられています。

資産価値の展望——仙川の三重の追い風

仙川エリアの不動産市場には、3つの大きな追い風が吹いています。

追い風 1|京王線高架化(2030年度)

約1,880億円を投じた連続立体交差事業の完成により、踏切のない開放的な街並みが実現。沿線のイメージが一新され、地価のさらなる上昇が見込まれます。

追い風 2|駅前商業の刷新

フォレストスクエア仙川の開業に代表される駅前商業機能の強化。生活利便性の向上が、住宅需要を下支えしています。

追い風 3|千歳烏山タワー再開発(2034年度)

隣駅の大規模再開発による沿線全体の価値底上げ効果。千歳烏山の都市機能向上は仙川の「住みたい街」としての相対的な魅力を高めます。

注意すべきリスク要因

一方で、冷静に見るべきリスク要因もあります。

  1. 生産年齢人口のピークは2025年

    調布市の15〜64歳人口はまさに今がピーク。長期的には需要構造の変化が起きる可能性があります。

  2. 金利動向

    日銀の金融政策変更により住宅ローン金利が上昇した場合、購入需要に影響が出る可能性があります。

  3. 供給の限定性

    仙川は低層住宅中心の用途地域が多く、大規模マンションの新規供給が難しいエリアです。需給バランスの面では価格を支える要因ですが、選択肢が限られる点は買い手にとっての課題でもあります。

エージェントとしての見解

総合的に見て、仙川エリアは少なくとも2030年前後までは資産価値の上昇基調が続くと考えています。

購入検討の方にとっては、高架化完成前の今が好機です。完成後は「踏切のない街」としてのブランドが確立し、さらなる価格上昇が見込まれるためです。

売却検討の方は、2030年以降の値上がりを待つ選択肢もあります。ただし、金利動向や個別の事情(住み替え・相続・ライフステージの変化)も考慮に入れる必要があります。まずは現在の相場を把握し、ご自身のタイムラインに合った判断をされることをお勧めします。

よくある質問

京王線(笹塚〜仙川間)の連続立体交差事業は2030年度末(2031年3月)の完成を予定しています。事業費は約1,880億円で、25箇所の踏切が廃止されます。2026年4月現在、仙川〜千歳烏山間で高架橋の構築が進んでいます。

仙川の地価は2015年から2026年にかけて約49%上昇しており、2026年の上昇率は+7.21%と過去最高を記録しています。京王線高架化(2030年度完成)、千歳烏山の大規模再開発(2034年度完成)など中長期的な追い風があり、少なくとも2030年前後までは上昇基調が続くと見られています。

フォレストスクエア仙川は2025年12月に仙川駅前に開業した商業施設です。約18店舗が入居し、スターバックス、クリスプサラダワークス、京都焼肉天壇などが出店。中央に緑豊かなコートヤードを配置し、「Co-Living 共に、暮らす」をコンセプトにしています。

千歳烏山駅前には地上34階・高さ約140mのタワーマンション・商業施設の再開発が計画されています(2034年度完成予定)。隣駅の大規模な都市機能の向上は仙川エリアへの波及効果が大きく、沿線全体の価値底上げにつながると考えられます。

仙川エリアは京王線高架化の完成(2030年度)に向けて資産価値の上昇が見込まれるため、購入検討の方にとっては高架化完成前の今が好機と言えます。売却検討の方は、2030年以降のさらなる値上がりを待つ選択肢もありますが、金利動向や個別の事情も考慮が必要です。まずは現在の相場を把握することをお勧めします。